晴天の空から突然、大量の魚が降ってくる。あるいは、数千匹のカエルが地面を埋め尽くす。まるでお伽話や映画の一シーンのようですが、これらは世界中で実際に記録されている「ファフロツキーズ」と呼ばれる現象です。
今回は、この不気味で不思議な「空からの落とし物」の謎に迫ります。
1. ファフロツキーズとは?
「ファフロツキーズ(Fafrotskies)」とは、「Falls from the skies(空からの落下物)」を略して作られた造語です。超常現象研究家のアイヴァン・サンダーソンによって提唱されました。
その場にあるはずのないものが空から降ってくる現象を指し、古くは数千年前の記録から、現代のニュースに至るまで、世界各地で報告が相次いでいます。
原因とされる主な説
降るものによって様々な原因が考えられています。
竜巻説
竜巻によって巻き上げられたものが落下したという説です。海から離れた陸地で海洋生物が大量に降る現象を説明しています。
鳥説
鳥が上空で餌を落としたり吐いたという説です。鳥の餌になるような小さな生物や水生生物が降る現象を説明しています。
空中衝突説
捕食者、飛行機、花火等により群れがパニックを起こし衝突して落下したという説です。鳥が降る現象を説明しています。
中毒説
直前に食べた餌で中毒を起こし落下したという説です。鳥が降る現象を説明しています。
大量発生説
生物の大量発生を空から降ってきたと勘違いしたという説です。繁殖力の高いカエルが降る現象を説明しています。
移動手段説
空を移動してきたという説です。一部のクモは自らの糸を広げ飛行することが知られている(バルーニング)ことから、クモが降る現象を説明しています。大量に降ってきた糸はエンジェルヘアと呼ばれています。
いたずら説
人為的ないたずらという説です。
UFO説
宇宙人がUFOから落としたという説です。
神説
神が贈り物や罰を与えたという説です。
テレポーテーション説
別の場所からテレポーテーションしたという説です。大気圏にテレポーテーションしたものが集まる海(超サルガッソー海)が存在し、そこから落下するという説もあります。
主な事例
赤い雨
2001年7月25日から9月23日、インドのケーララ州で赤い雨が降りました(ケーララの雨)。これは藻類の胞子が大量発生し放出されて雨を着色したものと見られています。これに近い現象として氷雪藻があります。氷雪藻とは雪が藻の繁殖により赤く染まる現象のことです。
但し、これは降った後の雪に起こる現象のためファフロツキーズではありません。742年、宮城県に赤雪が降ったという記録が平安時代の書物「続日本紀」に残っています。氷雪藻と見られています。
魚
ホンジュラスのヨロ県では毎年5月から7月頃に大雨とともに魚の雨が降ります。地元では1998年以来この現象を祝うための祭りが行われています。ちなみにヨロ県は内陸県で海に面していません。これは竜巻で巻き上げられたものと見られています。
1861年2月16日、シンガポールで3日間大雨が降り続いた後に水たまりに数千匹の魚が目撃されました。2016年5月8日、甲子園球場で阪神対ヤクルトの試合中に空から1匹の魚が降ってきた。これは鳥が吐き出したものと見られています。
蛇
1877年1月15日、アメリカのテネシー州メンフィスで豪雨の後に大量の蛇が目撃されました。これは竜巻で巻き上げられたものと見られています。
鳥
2010年12月31日、アメリカのアーカンソー州ビービーで、数千羽の鳥の死骸が空から降ってきました。これは大みそかの花火によりパニックとなり空中衝突したものと見られています。2013年7月31日、中国の山西省運城市で大量のスズメの死骸が降ってきました。
これは、落雷のあった木にとまっていたスズメが感電したものと見られています。1961年9月7日、アメリカのカリフォルニア州サンタクルーズで空から鳥が降ってきました。これは海で藻類を食べた鳥が中毒を起こしたものと見られています。
肉片
1876年3月3日、アメリカのケンタッキー州バスで、空から肉片と思われるものが降ってきました(ケンタッキー肉の雨事件)。これは鳥が吐き出したものと見られています。
カエル
2009年6月4日、石川県七尾市で空から100匹以上のオタマジャクシが降ってきました。これは鳥が吐き出したものと見られています。このニュースは新聞、テレビ等で取り上げられ、その後全国的にオタマジャクシ落下の目撃情報が相次ぎました。
ミミズ
2015年4月12日、ノルウェーのベルゲンで雪上に数千匹のミミズが目撃されました。これは竜巻や突風で巻き上げられたものと見られています。
クモ
1974年、オーストラリアのニューサウスウェールズ州オルベリーで空から大量のクモが降ってきました。これはクモの習性(バルーニング)と見られています。
石
884年、現在の秋田県秋田市で雷雨の後に空から石でできた矢じり(石鏃)が23枚降ったという記録が平安時代の書物「日本三代実録」に残っています。
人
2019年6月30日、イギリスのロンドンで空から人が降ってきました。これは、飛行機の車輪格納部に隠れていた密航者が落下したものと見られています。
お札
1867年8月から1868年4月、東海、近畿地方を中心とした家々に天から社寺のお札が降ってきました。人々はこれを吉兆として乱舞した(ええじゃないか)。これは人為的にまかれたものと見られています。
その他
旧約聖書の出エジプト記には、神が天から食物(マナ)を降らせたという記述があります。但し、これは比喩表現の可能性があります。