送粉シンドロームとは?わかりやすく簡単に

生物学

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送粉シンドロームとは、送粉者(風や水も含む)と植物の間にある一定の傾向を持つ関係性のこと。

簡単に言うと花の形や色、香り等は受粉を助ける動物に合わせてデザインされている。送粉者が動物の場合、共進化の一例とされる。

風媒花

花粉の運搬を風に任せる。目立つ必要がないため花が地味で香りも弱い、柱頭(花粉をキャッチするための器官)が大きい、花粉は風を受けやすい形状、受粉の可能性が少ないため量が多くしばしば花粉症の原因となる等の特徴がある。

多くの裸子植物(イチョウ、マツ、ヒノキ、スギ等)、ヤナギ科、ブナ科、イネ科(トウモロコシ)等。

水媒花

花粉の運搬を水に任せる。目立つ必要がないため花が地味で香りも弱い等の特徴がある。特に水面で受粉するものを水面媒、水中で受粉するものを水中媒という。

水生植物(クロモ、金魚藻)等。

ハナバチ媒花

花粉の運搬をハナバチに任せる。花の色や香りは多様、紫外線の反射・吸収のコントラストで蜜のありかを伝えるネクターガイドを有す、花の形は筒状のものが多い等の特徴がある。

ラン科、アヤメ科、キキョウ科、マメ科等。

チョウ媒花

花粉の運搬をチョウに任せる。花の色は多様、紫外線の反射・吸収によるコントラストで蜜のありかを伝えるネクターガイドを有す、花の形は漏斗状のものが多い、香りは無臭かやや甘い香りがする程度等の特徴がある。

ユリ科、ツツジ科。

ガ媒花

花粉の運搬をガに任せる。夜に開花、花の色は白基調、強い甘い香りを放ち、花粉を運ぶ対価(報酬)となる蜜の量が多い等の特徴がある。

カラスウリ、オシロイバナ等。

ハエ媒花

花粉の運搬をハエに任せる。花の色は多様で、腐敗臭、悪臭等の特徴がある。

ヤツデ、ラフレシア等。

甲虫媒花

花粉の運搬を甲虫に任せる。花は白色が多く、香りは無臭から果実臭、腐敗臭まで様々、花の形は皿状のものが多く、長く居座らせるようにトラップを有する等の特徴がある。

ラン科等。

鳥媒花

花粉の運搬を鳥に任せる。鳥に目立ちやすくするため赤色で模様のない花が多い、鳥は嗅覚が鈍いため香りが弱い、花粉を運ぶ対価(報酬)となる蜜の量が多い等の特徴がある。

アオイ科(ハイビスカス)、ツバキ科、アロエ科、バラ科等。

コウモリ媒花

花粉の運搬をコウモリに任せる。夜に開花、花が大きい、硫黄化合物の悪臭を放つ、コウモリの超音波を反射しやすい花の形状をしている等の特徴がある。

サボテン類やバナナ類等。

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