修辞技法とは、言語表現を豊かにするための技法のこと。レトリックともいう。
直喩法(シミリー)
説明語句(まるで、みたいに等)を用い類似する物事にたとえる方法。
例:タンポポみたいに旅に出た。
例:ひかりは今 巨大な棺桶と化した
隠喩法(メタファー)
説明語句を用いず類似する物事にたとえる方法。
例:旅は、真っ白な画用紙だ。
例:シャッター押すのをやめてじっと、まぶたに焼きつけています。
換喩法(メトメニー)
それと近いものや連想できるものに置き換える方法。下記で食卓は食事の、サクラサクは合格の置き換え。
例:愛は食卓にある。
例:キット、サクラサクよ。
提喩法(シネクドキ)
それが属するカテゴリの上位や下位に置き換える方法。下記の青は空の青や海の青の上位カテゴリ、ハリウッドはアメリカ映画界の下位カテゴリ。
例:あの頃の青を探して。
例:ハリウッドがひれ伏した銀行マン
諷喩法(アレゴリー)
たとえ話を用いる方法。下記は人間の行動を表す。
例:能ある鷹は爪を隠す
例:弱い犬ほどよく吠える
擬態法
オノマトペ(擬態語や擬声語)を用いる方法。
例:ぽかぽかの、冬にする。
例:私の気持ちまで、カラッと晴れさせてくれた雨晴駅です。
擬人法
人以外のものを人に見立てる方法。
例:「ゆっくり行きましょう」と列車に言われた夏でした。
例:学校を卒業すると、春は黙って行ってしまうようになる。
倒置法
語句の順序を逆転させる方法。
例:恐れるな。自ら選んだ、この運命を。
例:生き残る。たとえ一人でも
体言止め
最後を名詞で終わらせる方法。
例:行くぜ、東北。
例:姫の犯した罪と罰。
反復法
同じ語句を繰り返す方法。
例:簡単になんて伝えられない。本当に、本当に大切な気持ちだから。
同語反復(トートロジー)
まったく同じ意味の語句を繰り返す方法。
例:よそはよそ、うちはうち
例:おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの
反照法
最初の語句を最後でまた用いる方法。
例:ぼくは生きている。話せず、身体は動かないが、確実に生きている。
反語
答えはあるのにあえて問いかける方法。
例:自分の部屋で、人生なんて考えられるか?
例:どこまで行ってもいいんですか。
対句法(パラレリズム)
同じ構成の2つの文を並べる方法。
例:なぜ、殺したのか。なぜ、愛したのか。
例:音楽は彼を選び、彼は海を選んだ。
交錯配列法
語句の構成を反転させた2つの文を並べる方法。
例:生きるために食べよ、食べるために生きるな。
対照法(アンチテーゼ)
反対の表現を並べる方法。
例:変わらぬものはない。失くせぬものがある。
例:何よりも君の死を恐れ、 誰よりも君の死を望む。
押韻
同様の読みの語句をリズムよく用いる方法。
例:京阪のる人、おけいはん。
例:メールじゃ会えない。レールで会おう。
挿入語句
括弧等を用いて補足や弁明をする方法。
例:√a=18 旅路(ルート)のなかでは、人はいつも18(age)である。
省略法
三点リーダやダッシュを用いて想像を膨らませたり、単に省略する方法。
例:どうして旅をするのかな…
頓絶法
三点リーダーやダッシュを用いて途中で発言を止める方法。
例: ずっと君のことが…
頓呼法
そこにいない人や物、概念に直接呼びかける方法。
例:日本よ、これが映画だ。
例:世界よ、これが日本のヒーローだ!!
緩叙法
二重否定を用いて肯定する方法。
例:目立つって、悪くない。
増幅法(敷衍)
より細かく説明する方法。
例:顔も、名前も、住所も、電話番号も、メアドも、 (中略) 隠したいことも、忘れたいことも、知られてしまった。ただ……スマホを落としただけなのに
誇張法
誇張する方法。
例:全米が泣いた
例:この恐怖を越えた映画はいまだ存在しない
パロディ
有名なフレーズをまねる方法。
例:全米が吐いた
例:人生、山あり、川あり。
列挙法
関連のある語句を列挙する方法。語句を連ねる列叙法の一つ。
例:緑も、空気も、私も、あたらしく。
例:裁かれるのは、肌の色か、正義か、愛か。
漸層法
同じ話題に対して徐々に盛り上げる方法。語句を連ねる列叙法の一つ。
例:お父さん、怖いよ!何か来るよ 大勢でお父さんを殺しに来るよ!
頓降法
盛り上げて最後に落ちをつける方法。
例:使った弾丸11811 吹っ飛んだ部屋148 絶体絶命97 破った約束35 爆破したビル12 そして便器1
撞着語法
相反する表現を並べる方法。
例:凶暴な純愛
例:Back to the Future
疑惑法
2つの立場を両立させ曖昧にする方法。
例:ああ、きもちわるくて、きもちいい。
冗語法
必要以上の説明を用いる方法。
例:本当に大切なものはいつも失って初めてわかる
接続詞省略
接続詞を省略する方法。
例:きて、みて、さわって
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